量子アニーリング・断熱量子計算の国際会議 ”AQC2022”で研究発表

 
2022年6月20日(現地時間)から5日かけてイタリアで開催される量子アニーリング関連の世界トップクラスの国際会議Adiabatic Quantum Computing Conference(”AQC”)に、CTOの西村、研究開発者の後藤が口頭発表、ポスター発表を行います。
 
AQCは、量子アニーリングに関する世界最先端の専門家が一堂に介して、最新の理論・ハードウェアに関する研究成果報告を共有、研究者間の交流を行う国際会議です。2012年から毎年開催され、今年度はオンラインとオフラインのハイブリッド開催となります。
 
6月21日(現地時間)に西村CTOが「Estimation of hyperparameters on Ising model with constraint」と題したテーマで登壇します。量子アニーリングで現実の社会問題を扱う際には、制約付き最適化問題をラグランジュ緩和することでイジングモデルとして定式化して解きますが、そのために必要なペナルティ項の重みを調整する方法について発表します。このアルゴリズムは量子アニーリングを社会実装するためのパラメータ調整といった障害を無くす一手となります。こちらのアルゴリズムは弊社の提供する量子イジング最適化クラウドサービスJijZeptの機能の一部として試すことができます。
 
また、6月22日(現地時間)には弊社後藤が「Benchmarking anneal offset adjustment in graph coloring problem」と題したテーマでポスター発表を行います。最新のD-Waveで利用可能なanneal offsetという機能の新しい使い方を提示し、量子アニーリングの性能を引き出すことができる可能性を実験的に示した結果について発表します。本実験結果は、現在のハードウェアの機能を使った新しいアルゴリズムとして期待され、量子アニーリングの社会実装に不可欠な性能向上に寄与することが期待されます。
 
今後もJijは量子アニーリング・量子を使った最適化計算の技術を社会実装をするための基礎研究をおこなっていきます。