イベント参加レポート|量子コンピューティング業界の世界最大級イベント”Q2B 2022 シリコンバレー”
2022年12月6日〜8日(現地時間)にアメリカ合衆国のシリコンバレーで開催された、世界最大級の量子コンピューティング業界イベント”Q2B 2022 シリコンバレー(Q2B22SV)”に、株式会社Jijから代表の山城とHead of Businessの中田が参加しましたので、イベントレポートをまとめました。
量子コンピューティング業界イベント”Q2B”とは?
Q2Bは、量子コンピューティング業界に関わるテック企業、エンドユーザー企業、スタートアップ、コンサルティング会社、政府機関、業界団体、大学、ベンチャーキャピタル、研究所等が参加する世界最大級のビジネスカンファレンスです。米系スタートアップのQC Wareが、2017年から企画・開催しています。
アメリカ合衆国のみならず、世界中から関係者が参加するのが特徴的です。元々アメリカ合衆国のみで開催されていましたが、2022年7月に東京で開催され、2023年3月にパリで開催予定です。(量子コンピューティング業界ではグローバルにみても日本の関係者の比率が高いので、初の海外イベントとして日本で開催されたのは頷けます)
海外のカンファレンスっぽく、朝食・ランチを通じたネットワーキングの機会や、企業別にミーティングルームが確保されており開催期間中に打ち合わせが実施されます(弊社も開催期間の半分は打ち合わせをしていました)。
量子技術は量子コンピュータの他にも量子通信やセンシングがありますが、今回は量子コンピューティング関連が主となっていました。
またQ2Bはアカデミック寄りではなく、事業創出を念頭に置いたビジネスカンファレンスです。ただしテクニカルセッションなどもあり技術的なパートも多く含んでいます。
Q2Bシリコンバレー2022概要
2022年12月6日〜8日(現地時間)の3日間で、アメリカ合衆国カリフォルニア州のシリコンバレー地域における中心都市・サンノゼ内のサンタクララ群にある、サンタクララ コンベンションセンターで開催されました。
2017年よりシリコンバレーで4回、コロナ禍のバーチャル開催1回、東京での開催1回を経て、今回が7回目となります。参加企業・参加者が年々増え続けており、今回は数百名が参加していました。
会場全体の構成は、20社近い企業がブース出展している出展エリア(ネットワーキング用と食事用のテーブルスーペスあり)が1箇所、登壇用のエリアが4~5箇所、企業が確保する打ち合わせルームが数部屋でした。
Q2B22SV登壇企業例は以下の通りです。日本からも複数の企業が登壇されていました。
テック企業 | AWS、IBM、Microsoft、Google、富士通、東芝デジタルソリューションズ、NVIDIA、KEYSIGHT |
エンドユーザー企業 (ファイナンス) | JP Morgan Chase & Co.、Goldman Sachs、HSBC、Moody’s Analytics、Itau |
エンドユーザー企業 (自動車・自動運転) | BMW、豊田中央研究所、Ford、アイシン |
エンドユーザー企業 (航空) | The Boeing Company、Airbus、Rolls-Royce PLC |
エンドユーザー企業 (ヘルスケア ) | Siemens Healthineers、Mayo Clinic |
エンドユーザー企業 (製薬) | Boehringer Ingelheim |
エンドユーザー企業 (エネルギー) | BP(British Petroleum) |
技術プロバイダー | QC Ware、Quantinuum、IONQ、Q-CTRL、PASCAL、Qunasys |
コンサルティング会社 | BCG、McKinsey & Company、Deloitte、EY、KPMG |
政府機関 | 米国空軍、米国エネルギー省、ドイツ航空宇宙センター、イギリスQuantum Leap、オランダ官民パートナーシップQuantum Delta NL |
業界団体 | QED-C(米国量子経済開発コンソーシアム)、Novo Nordisk財団 |
ベンチャーキャピタル | 米国系ベンチャーキャピタル |
研究所 | Electric Power Research Institute(EPRI) |
登壇者が説明したコンテンツの分類はざっくりと以下の通りです。
- 各社(技術プロバイダー)によるプロダクト開発・研究成果
- 各社(エンドユーザー)による実装成果
- 政府機関・業界団体等が主導するエコシステム
- コンサルティング会社等による量子コンピューティング業界のマクロ環境分析、市場規模と今後の見通し
- ベンチャーキャピタルによる2023年の投資トレンド
尚、登壇者が説明したコンテンツは追ってYouTubeでアップロードされる予定です。より詳細な内容は、主催者や他参加者に配慮しこれ以上ここには記載しませんが、YouTubeのアップロードをお待ちいただければと思います。
Jijの取り組み
Jijの取り組みについて、AWSのAmazon BraketチームのGeneral ManagerのRichard Moulds氏の説明にて、弊社との連携について説明いただきました。
また、開催期間中に打ち合わせをした事業連携、技術連携、プロジェクト推進の内容を追って公式に公開していく予定です。